麹
酒造りの心臓部である麹作りは、その技術と精度が最終的なお酒の品質を左右する、非常に繊細かつ重要なプロセスです。実際、お酒の味わいの90%以上は麹の出来によって決定されると言っても過言ではありません。この段階で、麹の品質がお酒の風味と香りの両方に決定的な影響を及ぼします。 農口杜氏から学んだ「膨らませ、乾かせ、老なせ」という教えは、麹菌が米の内部に広がり、そこから放出される水分を効果的に除去しながら、麹がただの甘味ではなく深い「旨味」に変わるまで見守ることを意味します。 私たちが追求する「旨みがあり、キレが良い酒」は、この麹造りにおける緻密な注意と専門技術によって成し遂げられます。それは単なる工程ではなく、妥協のない芸術作品を創る行為です。